便秘症の診療

便秘症の診療内容

便秘とは、排便が順調でない状態のことをいいます。一般的な定義としては、排便が週に3回未満であること、排便をしていない状態が3日以上続いている、排便は適度にあるものの残便感があるという場合とされていますが、学会により定義は異なります。便がなかなか出ない、出てもまだ残っている感じがするといった原因は、何らかの病気に罹患している、食生活、運動不足、薬剤の影響、体質など様々です。

以下の症状に心当たりがあれば、ご相談ください。

  • お腹にハリがあって苦しく感じる
  • 便を出し切った感じがしない
  • 硬い便が出ている
  • 肌が荒れている
  • お腹がぽっこりしている
  • 血便がみられる
  • 痔の症状に悩んでいる
  • 肩こりがある
など

便秘症の治療について

当院では、便秘症に関して主に以下の治療を行っています。

食事指導、生活習慣

日頃の食事などを見直すなど生活習慣を改めていくことで、便秘が改善することもよくあります。そのため当院では食事指導を行っています。具体的には、腸内環境を整える作用があるとされる食物繊維を多く含む食品を摂取しやすくなる環境づくりなどに努めていきます。ただ食物繊維には、水溶性と不溶性の2つのタイプがあります。不溶性の食物繊維を摂りすぎるとかえって便秘が悪化することもあります。このような状況にならないためにも腸に良いとされる食生活に関するアドバイスもしていきます。さらに運動をすることは腸の活性化にもつながるといったこともあるので、日頃の生活習慣全般を指導するといったことも行っています。

薬物療法

緩下剤を使用します。近年、刺激性下剤の常用による有害事象が報告されており、新しい緩下剤の種類が増えています。当院では、慢性便秘症ガイドラインに則った排便コントロールを行っています。主に、酸化マグネシウムを含む便秘薬を使用し、水分を多く含ませるなどして軟便にして、排出させやすくします。ただこちらも高齢者や腎機能が低下している方には、高マグネシウム血症を引き起こすことがあります。緩下剤を使用するにあたっては、これらも踏まえたうえで薬剤を処方いたします。